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共感性に支えられた新たな金融手法:中南米地域における活用の可能性(6/1開催)

セミナー 

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詳細 国際協力機構(JICA)は、中南米地域の地域開発金融機関である米州開発銀行(IDB:Inter-American Development Bank)の多数国間投資基金(MIF:Multilateral Investment Fund)と共に、中南米地域における地場中小零細企業支援に向けたマイクロ投資クラウドファンディングの将来的な活用可能性について共同調査を実施しました。マイクロ投資クラウドファンディングとは、個人投資家がインターネット上のプラットフォームを介して、特定の事業者に対し直接的に少額から出資する、投資を通じた社会貢献の仕組みで、日本においては内閣府が「ふるさと投資」の一環で推進し、新たな金融アプローチとして広く活用されるようになりました。今般、共同調査の報告書 「Empathy Driven Funding : New Frontier of Financing Small Businesses」が完成したことを受け、マイクロ投資クラウドファンディングを中南米地域における経済社会開発促進のために活用できる可能性はあるか、また、日本の中小零細企業が中南米地域におけるビジネスを検討する際にどのような活用の可能性が考えられるかなどについて、IDBアジア事務所との協力でセミナーを開催致しました。同セミナーにおいては日本のマイクロ投資クラウドファンディングを活用し資金調達を行ったペルーの貯蓄信用協同組合のABACOからも、中南米地域における実際の活用事例をご紹介頂きました。
開催要項 6/1 共感性に支えられた新たな金融手法:中南米地域における活用の可能性  >>
スピーカー

■開会挨拶

大石 一郎 氏
米州開発銀行 アジア事務所長

■プレゼンテーション

成田 哲郎 氏
多数国間投資基金 スペシャリスト
竹内 登志崇 氏
国際協力機構 中南米部参事役
ミゲル・ハタダ 氏
ABACO貯蓄信用協同組合 理事
ヘルマン・マツムラ 氏
ABACO貯蓄信用協同組合 理事

■パネルディスカッション

中村 圭介 氏
多数国間投資基金 スペシャルアドバイザー
小松 真実 氏
ミュージックセキュリティーズ株式会社 代表取締役
丸山 健太郎 氏
株式会社丸山珈琲 代表取締役
山下 泉 氏
個人投資家

■閉会挨拶

竹内 元 氏
国際協力機構 中南米部長
日時 2017/06/01(木) 13:30〜16:00
会場 イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA 1F

プレゼンテーション

成田氏によるプレゼンテーションでは、中南米地域において重要な経済社会開発課題の一つとなっている民間部門の育成、特に中小零細企業の資金調達支援として、伝統的な金融機関を補完する形で新しい金融アプローチを活用する金融機関が増えつつある旨の発表がありました。

多数国間投資基金 成田 哲郎 氏

多数国間投資基金 成田 哲郎 氏

竹内(登)氏より、マイクロ投資クラウドファンディングの特徴の一つとして、個人投資家が自分の応援したい事業に気軽に少額から出資できるという点、この投資の場合、経済性よりも事業者・事業インパクト・地域などへの思い入れや愛着が投資動機になっている点について説明がありました。

事業者にとっては自由度の高い資金として活用できるほか、担保や信用が必要となる従来の金融商品では必要な資金を調達することが困難であった事業者も資金調達が可能となるケースがあり、中南米地域においては金融アクセスが不十分な中、中産階級の拡大、インターネットの普及等を背景として、こうした「共感性」に支えられた新たな金融チャネルを活用できる土壌が備わっているとの説明がありました。

国際協力機構 竹内 登志崇 氏

国際協力機構 竹内 登志崇 氏

ペルーのABACO貯蓄信用協同組合ハタダ会長及びマツムラ理事からは、同組合の概要及びMIFによる組織強化のための資金及び技術の支援、日本のマイクロ投資クラウドファンディングを活用した資金調達経験等について説明がありました。

ABACO貯蓄信用協同組合がミュージックセキュリティーズのプラットフォームで日本の個人投資家から調達した資金は、ペルーの鱒養殖業者に融資され、資金不足ゆえ生産量を増やせなかった生産者が、同ファンドにより生産量を倍増できたとの報告がありました。

鱒養殖の小規模生産者の多くは資金不足がビジネス展開の足がかりとなっていましたが、ファンドにより資金提供が実現して好循環が生み出されていると強調していました。

パネルディスカッション

マイクロ投資クラウドファンディングのプラットフォームを運営するオペレーター、プラットフォームで資金調達経験のある事業者、並びにプラットフォームで資金提供の経験ある個人投資家から、「共感性」に裏打ちされた資金としての性質(共感性の強さとリスク許容度に相関関係あり)や、新たな資金調達手段としての一層の認知の必要性、更なる普及・拡大に向けた政策・制度の後押しや金融機関との連携の重要性など、マイクロ投資クラウドファンディングの今後活用の可能性について活発な議論が行われました。



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